マンションの空き家の管理費はどれくらい?もったいない?

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マンション経営は分譲マンションを購入して賃貸物件として公開し、入居者から家賃を得る不動産投資の方法です。
賃貸管理を不動産管理会社に委託することでオーナーは手間をかけることなく収入を得られることから人気の投資手法となっており、多くの投資家がマンション投資を検討しています。
その一方で賃貸経営は初期費用や修繕積立費、管理料など毎月発生するコスト、大規模修繕による支出、賃料の値下げ交渉など多くの注意点があります。
その中でも入居していない部屋が増えてしまうと一気に利回りが悪化してしまい、さらに資産価値が低下するというリスクを抱えることになります。
場合によっては空室率が原因でマンションを手放すことにもなるため、オーナーは空き家対策に力を注ぐ必要があるでしょう。
この記事ではアパート全体の管理にかかる費用負担の相場や空室が多いマンションを保有するリスクについて、解説します。

マンション投資でかかる管理費

賃貸マンションを経営し安定した家賃収入を得るためには常に入居者がいる状態にする必要があり、そのためにも共有部分の清掃や設備の修繕といった管理は必須です。
これらの管理は主に「賃貸管理」と「建物管理」に分けられ、どちらも空室を発生させないために重要な業務内容となりますのでポイントを押さえておきましょう。
この章ではマンションの維持管理で必要となる管理費を紹介します。

マンション投資の賃貸管理

賃貸管理とは契約した入居者に対する管理業務となっており、アパートの一部がテナントになっている場合はテナントの管理業務も含まれます。
主な業務として家賃の集金や滞納している住民への対応、クレームやトラブルへの対応、修理の手配や退居後のリフォームなどが挙げられます。
これらの業務は入居者が快適に暮らし続けるために必須となる一方で手間がかかることから、管理会社や管理組合に一任しているケースも多いです。
しかしその場合は管理費用がかかってしまい、毎月発生する支出として形することになります。

マンション投資の建物管理

一定規模以上の建物を管理する場合には賃貸住宅管理業法に定める管理をする必要があります。
賃貸管理に関するトラブルは増加傾向にあり、賃貸住宅管理業法もこれまで何度も改正されてきました。
そのため賃貸経営をするオーナーとしても管理業者に任せるだけでなく、法令の管理項目は知っておく必要があります。
法令の管理項目はアパートの規模や管理戸数によって多少の違いはあるものの、一般的には次の項目が点検箇所として該当します。

  • 給排水設備全般
  • 衛生設備
  • 消防用設備機能
  • 電気設備
  • 空調設備
  • エレベータ

上記のうちエレベーターはエレベーターのメーカーが定期点検することがほとんどですが、それ以外は管理会社かオーナーが業者を手配することになり、その度に費用がかかることを知っておきましょう。
これ以外にもアパートの草むしりや清掃、害虫・害獣のリスク対策も大切な作業となっており、マンションの資産価値を維持する上でも必要な管理業務となっています。
【参考サイト:賃貸住宅の管理業務等の適正化に関する法律(令和2年法律第60号)

空室期間も賃貸・建物管理の両方の費用を支払う必要がある

誰も住んでいない空室だからといって、賃貸管理と建物管理の費用を免除することはできず、部屋の状態を維持するためにも支払い続けなければなりません。
つまり、空室は収益を生まないばかりか維持費だけを支払う負債になるといえ、空室率が高いアパートは収益が悪化しやすいことが分かります。
さらに誰もいない部屋は室内の清掃や設備が使用されないため劣化しやすく、空室がゴキブリやコウモリの巣になってしまうケースも少なくありません。
そのため、空室であっても管理費を支払い適切な状態を維持しなければなりません。

マンションの空き家でかかるその他の費用

マンションを所有していると賃貸経営の状態にかかわらず、税金が発生します。
その中でも固定資産税は必ず発生する一方で、ワンルームマンションなど一定規模以下のアパートであれば減税の対象となります。
さらに固定資産税などの税金は全て確定申告で経費計上できることから、最終的な収益を増やす上でも重要なポイントといえるでしょう。
これ以外にも都市計画法で定める市街化区域にマンションがある場合、固定資産税だけでなく都市計画税もかかります。
この章ではそれぞれの税金について、詳しく解説します。

固定資産税

固定資産とは土地や建物などの固定資産に対してかかる税金であり、課税標準額に1.4%を掛けることで算出することができますが土地と建物で課税標準額の計算方法は異なります。
建物は固定資産税台帳に記載されている固定資産税評価額がそのまま課税額となりますが、土地は国税庁が公開している公示価格をベースにして計算することになり、一般的な目安として土地の課税額は公示価格の7割程度になるケースが多いです。
また、建物の評価額は毎年更新され、土地の更新は3年に1度となることから、固定資産税は毎年同じではないことを知っておきましょう。
ただし土地の面積が200㎡以下のマンションは「小規模住宅用地」とみなされ、特例によって固定資産税を6分の1まで減額することが可能です。
このことからも、所有しているマンションの規模は重要なポイントとなります。
なお、固定資産税は次のタイミングで支払うことになりますが一括で支払うこともでき、自治体によっては電子マネーやクレジット決済も可能です。

  • 第1期…納付期限2023年6月1日~6月30日/納付期限6月30日
  • 第2期…納付期限2023年9月1日~10月2日/納付期限10月2日
  • 第3期…納付期限2023年12月1日~12月27日/納付期限12月27日
  • 第4期…納付期限2024年2月1日~2月29日/納付期限2月29日

都市計画税

都市計画税は都市計画法に定める「市街化区域」にマンションが建築されている場合のみ発生する税金のことで、固定資産税台帳に記載されている課税額に対して税率を掛け合わせることから固定資産税と同じ計算方法となります。
ただし税率は最大0.3%となっており、自治体によって税率は変動します。
そのため複数のマンションを保有している人は都市計画税の税率が異なる可能性があるため、注意しましょう。
なお、都市計画税は固定資産税と同じ納税通知書となっていることから、2つの税金は合わせて納税することになります。
【参考サイト:都市計画法 | e-Gov 法令検索

マンションの空き家を所有するリスク

マンションの空き家をそのまま放置しておくと様々なリスクを抱えることになってしまうため、賃貸経営において空き家対策の重要性は高いといえます。
場合によっては空室率が高いことでマンション自体を売却することになるケースもあるため、安定したマンション投資を進める上で空室を減らすことは必須といえるでしょう。
この章ではこれからマンション投資を始める人向けに、マンションの空き家をそのままにしておくリスクについて解説します。

修繕積立金が高くなることがある

賃貸物件の賃料は借主がオーナーに支払うことになりますが、オーナーはマンションを所有しているため修繕積立金などを支払うことになります。
そのため空室の有無にかかわらず修繕積立金自体は蓄積することができますが、共用部などは人の出入りがなければ汚れや破損に気づかないことも多いです。
そのため大規模修繕の時期に建物全体を調査した結果、想定以上の費用がかかってしまうこともあります。
このような状況になると積立金だけでは対応できず、修繕積立金を特別徴収されることがあります。
このようにマンションの空き家は収益化できないだけではなく、将来突発的な費用が発生するリスクを抱えているといえるでしょう。

資産価値が低下する

そもそも家屋は人が住むことで正常な住環境を維持することができ、空き家の状態が長くなると不衛生な住環境になったり水回りが破損する原因にもなります。
その結果資産価値が減少し、マンションを将来売却する際の金額が下がってしまうことにもなりかねません。
不動産投資の収益計画は「毎月の賃料+マンションの売却益」でトータルコストを上回り、黒字化させるように立てることが成功のコツです。
このことからも、マンションの資産価値はできる限り担保させることが大切となります。

劣化が進行する

建物が劣化すると耐久性や耐震性、耐火性が低下し入居者の安全を確保できなくなります。
そのため地震や台風が発生する度に不安な思いをさせてしまうことから、劣化を食い止めるための修繕工事は定期的に必要となるでしょう。
前述したように人が住まない居住空間は劣化がしやすく、さらにマンションの住民が減ると破損個所に気づきにくくなります。
また万が一の災害発生時の安否確認に時間がかかることから、大きなデメリットといえるでしょう。

まとめ

マンション投資において空き家問題は最優先で対策すべきとなっており、空室率を下げることが賃貸経営における成功のカギといえます。
なぜなら空き家は収益を生まないばかりか室内が劣化する原因になり、マンションの住民が減ることでマンションの劣化を発見しにくくなるリスクが増えるからです。
また空き家であっても管理費や修繕積立金、税金の支払いは発生し、さらに賃貸管理や建物管理も同様に必要です。
このように、空き家があるだけで収益が悪化しやすくなることが分かります。
そのためマンションを購入して不動産投資をするのであれば空き家にならない工夫をすることが大切であり、管理会社と相談しながら対策を考えることが重要といえるでしょう。

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