空き家の実家や土地を相続したものの活用方法や管理の必要性が分からず、悩みになっている人も多いです。
実際筆者も相続によって突然空き家の所有者となり、様々な無料相談に問い合わせして必要な情報を収集することになりました。
不動産を相続するにしても相続放棄するにしても、相続人としてやるべき手続きがあります。
また売却する決断をした場合には空き家売却の専門家に相談するのがおすすめです。
この記事では空き家や空地を相続によって所有することになった対策について、筆者の実体験を基に解説します。
これから不動産の法定相続人になる可能性のある人は、参考にしてください。
相続で空き家の所有者になった
筆者は相続財産として空き家を相続し、管理しなければならなくなりました。
相続した空き家に住んでいたわけではないため活用方法が分からず、無料相談会に出席したり専門家に相談して情報を収集しました。
その結果空き家を売却するのが最善と判断し、空き家売却専門の不動産会社に依頼することになりました。
空き家の相続で直面した課題
空き家を相続することは不動産という財産を取得することになりますが、メリットだけでなくデメリットもあります。
所有権を取得する前と取得した後で多くの問題が発生するケースがあり、適切に解決しなければ大きなトラブルが起きることもあります。
この章では空き家の相続に関する課題を紹介します。
空き家の相続手続きの流れを知らなかった
空き家の相続は遺言書で相続人として指定されるだけでなく、相続登記をしなければなりません。
相続登記は司法書士や弁護士といった専門家に依頼するのが一般的であり、15万円前後の費用がかかります。
また合わせて遺産分割協議書の作成などを依頼する場合はさらに費用が追加となるため、注意が必要です。
なお、令和6年4月1日から相続登記が義務化となり、所有権の取得を知った日から3年以内に相続登記をしなければ10万円以下の過料が課せられる可能性があります。
【参考サイト:相続登記が義務化されました(令和6年4月1日制度開始) ~なくそう 所有者不明土地】
固定資産税や維持管理の負担があることを知らなかった
建物と土地は固定資産税が課税されることになり、毎年支払うことになります。
さらに建物のメンテナンスや掃除、庭の草むしりも所有者にとっては大きな負担です。
このような税負担や維持管理の負担は空き家を利活用していなくても発生してしまうため、所有者の大きな悩みといえます。
管理せず放置していると空家等対策の推進に関する特別措置法で指定される特定空家に認定されるリスクを抱えることになり、固定資産税が増額されたり建物の強制解体といった措置が講じられることもあります。
そのため空き家を相続した時点からランニングコストが増えてしまうことになり、大きな注意点といえます。
【参考サイト:空家法とは】
兄弟との意見調整に苦労した
遺産分割するためには被相続人の財産をどのように分配するのか相続人全員で協議する必要があり、簡単に空き家を相続できないケースも多いです。
たとえば空き家の資産価値が高く単純承認できず、兄弟を共有名義にしたり金銭を渡すなどの調整が必要となることもあります。
また相続する空き家に特別な思い入れがある兄弟がいる場合、空き家を利用せず売却前提で相続することを嫌がることも少なくありません。
意見調整が難航する場合は行政書士や司法書士に調整を依頼することをおすすめします。
売却・活用・賃貸度の選択をするか悩んだ
自己利用や賃貸、もしくは売却など空き家を相続した後の選択肢で悩むことは多いです。
賃貸に出すと賃貸収入を得ることができますが、将来売却がしにくくなり、一度売却してしまうと所有権を放棄することになってしまいます。
そのため、相続取得する前に空き家の活用方法を決めておくことが大切だといえます。
空き家相続での相談窓口
金銭や有価証券と違い、空き家の相続は手続きや相続後の対応が複雑です。
そのため事前に正しいステップを把握しておくことが大切といえ、相談できる窓口をあらかじめチェックしておくことをおすすめします。
この章では空き家相談での代表的な相談窓口を紹介します。
行政の窓口(無料相談)
自治体は定期的に無料相談を行っており、空き家の処分方法や相談すべき専門家についてアドバイスを受けることができます。
場合によっては司法書士や弁護士に相談できることもありますので、積極的に活用することをおすすめします。
不動産会社(売却・賃貸の相談)
不動産会社は空き家の売却と賃貸を専門的に取り扱っており、売却価格や賃料のイメージについてアドバイスを受けることができます。
諸費用や税金についてもある程度提案してもらえ、査定も無料で依頼できますので活用方法に悩む場合は不動産会社に相談するのがポイントです。
司法書士・弁護士(相続登記や遺産分割の相談)
相続登記と遺産分割協議は相続人だけで行うこともできますが、書類の不備や全員が納得できる分割にならないことも多いです。
そこで司法書士や弁護士に事前相談し、場合によっては登記と意見調整を依頼することで円滑に相続登記を完了させることができます。
ただし専門家への相談は費用が発生するケースが多いため、30分無料相談や市区町村が公開している相談会を利用することをおすすめします。
税理士(相続税や固定資産税の相談)
相続によって税金が発生する場合、節税になる取得方法や活用方法を知っておく必要があります。
税理士はこうした税金に関する専門家ですので、最適な方法についてアドバイスを受けることで失敗のない空き家相続が可能になります。
空き家専門の不動産会社(売却の相談)
不動産会社のなかでも空き家を専門に仲介したり買取してくれる不動産会社もあり、空き家を売却することが決まっている場合におすすめの相談窓口です。
特に空き家専門の買取業者は築年数の古い空き家だけでなく、再建築ができない物件や事故物件でも買取してくれます。
業者によっては残置物を撤去することなく現況のままで引渡しできるケースもあり、空き家が遠方にあっても立ち合いすることなく査定が可能です。
仲介手数料も不要ですので、空き家を売却する際には空き家専門の買取業者に相談する所有者も多いです。
相続した空き家は売却
相続した空き家を自己利用したり将来にわたって維持する必要がない場合、売却してしまうのがおすすめです。
空き家パスは空き家を専門とした買取業者であり、全国を対象に買取査定を無料で行っています。
残置物の撤去や確定測量を行わず引渡しでき、電話だけでなくLINEで査定を依頼することもできます。
そのため多忙な人でも気軽に査定依頼できます。
空き家の相続で後悔しないために
空き家の相続をすることで親族間の仲が悪くなったり費用負担が発生することもあるため、注意が必要です。
このようなトラブルを避けるためにも空き家を相続する前にやっておくべきポイントがあります。
この章で詳しく解説しますので、チェックしてください。
両親や兄弟と早めに相談しておく
遺産分割を突然聞かされるとすぐに納得できない親族がいるかもしれないため、なるべく早い段階で法定相続人となる親族に相談しておくことをおすすめします。
その際に空き家の活用方法や処分について意見を聞いておき、相続する前に話し合いの場を持つことが大切です。
税金や売却費用について知っておく
空き家を相続する場合は相続税、不動産を売却する場合は譲渡所得税と印紙税がかかるケースがあります。
相続する空き家の固定資産税評価額と売買代金によってこれらの税金は変動しますので、事前に確認しておくことをおすすめします。
相続税
相続税は固定資産税の評価額によって税率と控除額が次のように変動します。
法定相続分に応じた取得金額 | 税率 | 控除額 |
---|---|---|
1,000万円以下 | 10% | – |
1,000万円超から3,000万円以下 | 15% | 50万円 |
3,000万円超から5,000万円以下 | 20% | 200万円 |
5,000万円超から1億円以下 | 30% | 700万円 |
1億円超から2億円以下 | 40% | 1,700万円 |
2億円超から3億円以下 | 45% | 2,700万円 |
3億円超から6億円以下 | 50% | 4,200万円 |
6億円超 | 55% | 7,200万円 |
【参考サイト:No.4155 相続税の税率|国税庁】
譲渡所得税
空き家を売却して利益が発生した場合、利益に対して課税されます。
譲渡所得税と呼ばれるこの税金は次の計算式でプラスになれば課税されることになります。
また譲渡所得税は課税額に税率を掛けて算出しますが、税率は所有期間によって次のように変わります。
物件の所有期間が5年を超える:20.315%
このことからも、空き家をいくらで売るのか決めた時点である程度計算することが可能です。
印紙税
不動産売買契約書には印紙を貼付する必要があり、売買代金によって印紙税の税額が次のように異なります。
ただし契約書の原本を保有する必要がない場合は免税となりますので、不要の場合はコピー
を保管し原本は買主に保管してもらうよう相談しておくことがポイントです。
売買価格 | 印紙代 |
---|---|
10万円を超え50万円以下 | 200円 |
50万円を超え100万円以下 | 500円 |
100万円を超え500万円以下 | 1,000円 |
500万円を超え1,000万円以下 | 5,000円 |
1,000万円を超え5,000万円以下 | 10,000円 |
5,000万円を超え1億円以下 | 30,000円 |
1億円を超え5億円以下 | 60,000円 |
5億円を超え10億円以下 | 160,000円 |
10億円を超え50億円以下 | 320,000円 |
50億円を超える | 480,000円 |
【引用サイト:不動産売買契約書の印紙税の軽減措置|国税庁】
諸費用
相続時の諸費用は司法書士の報酬がほとんどですが、売却の際には不動産会社へ支払う仲介手数料が発生します。
仲介手数料は印紙税と同様に売買代金によって変動し、次の計算式で計算することができます。
売買代金が200万円を超え400万円以下:売買代金×4%+2万円+消費税
売買代金が400万円を超える:売買代金×3%+6万円+消費税
なお、法改正により800万円以下の低廉な空き家や空き地を売却する場合は33万円(税抜き)を上限とした請求ができるようになったため、注意が必要です。
ただし、買取業者に買取を依頼した場合は仲介手数料は不要になります。
【参考サイト:空き家等に係る媒介報酬規制の見直し】
まとめ
空き家の相続は様々な問題が発生しやすく、筆者のケースでも親族間のトラブルや予想外の費用が発生しました。
そのため空き家を相続することが分かった時点で相談窓口を活用し、事前に情報収集することが大切だといえます。
特に売却を決めた際には、空き家売却に慣れている買取業者に依頼するのがおすすめです。
筆者は最終的に空き家パスに相談し、スムーズに売却することができました。
査定は無料で内容によっては当日に査定額を回答してくれますので、空き家の処分に困っている人は空き家パスに相談してみましょう。